皆さま、こんにちは。村井です。
先日8月27日、私たちJR日高線を守る会は、日高町村会長である坂下様似町長へJR日高線の全線復旧を求める申入れをいたしました。次回の町長会議で3案のうちから1案に絞る、との報道ですが、運賃やルート、本数などバス転換案の具体的な内容が何ら住民に明らかにされない中、今なぜ1案に絞らなければならないのか、住民へ情報公開をしてほしい等々を求めました。坂下町村会長には、お忙しい中お時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
坂下町村会長は、「まだ何も決まっていないのです」と再三強調されていました。それならば尚更、今の段階で1案に絞るということはできないのではないか、と思いました。先日浦河で町民懇談会が開かれましたが、全線復旧を求めて浦河町長が主張されていたことに私たちも全面的に同意いたします。日高線は、日高にとっての宝です。なくしてはいけません。以下に申入書の内容を貼り付けましたのでご参照ください。
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(以下、申入書の内容です)
2019年 8月27日
日高町村会会長
坂下 一幸 様
JR日高線を守る会
代表幹事 村井 直美
申 入 書
2015年1月にJR日高本線が高波被害により運行休止して以来、様々な話し合いが持たれたにもかかわらず、根本的な解決には至らず災害復旧も為されないまま、4年半以上の月日が流れました。そうした中で、7月22日に行われた前回の日高町村会の臨時町長会議で、坂下町村会長が「9月24日の次回町長会議で1案に絞る方針を確認」した、と報道されています(7月23日日高報知新聞より)。同記事によれば、「各町議会の調整がすべて終わった段階で、どこかで結論を出さなくてはならない。9月24日には間に合わない町があれば1本に絞ることは延ばす可能性もある」とのことですが、私たちJR日高線を守る会は、バス転換の内容が住民に対して何ら具体的に明らかになっていないにもかかわらず、なぜ今鉄路の復旧を諦めて急ぎバス転換を決定する必要があるのか、という疑問を禁じ得ません。つきましては、以下の通り申入れいたします。
記
一.バス転換の予算をJR北海道がすべて負担するかどうか不明であるのみならず、定期券を含む運賃体系も各案の実現可能性も明らかでない中、地域の未来を左右する重要な地域公共交通の可能性を狭める決断を、現時点ですべきではありません。現時点での1案への絞り込みはやめて、引き続き日高線の全線復旧を粘り強く求めながらJR北海道との協議を進めて下さい。また、JR北海道に対しては、鵡川から日高門別までの早期運行再開を求めて下さい。
二.今日のJR日高本線の廃止問題は、JR北海道の経営難に端を発するものであり、その大元の原因は経営安定基金の運用益不足にありますが、JR北海道は平成30年度決算で863億円の含み益を計上しています。国鉄の分割民営に起因する国の責任を明確に問うていくと同時に、JR北海道の経営状態にも留意しながら協議を進めて下さい。
三.長大路線として日高線が持つ「地域間を結ぶ」役割は、輸送密度が低い区間を抱えていても基本的に変わりありませんが、高まる存廃論議の中にあって日高線が「時代の役割を終えた」と言われないようにするためには、時代の変化に応じた新たな役割を日高線に付与することが重要です。大型自動車の運転手不足が深刻化する中で、貨物輸送など既存の鉄道路線に新たな役割を与える動きも各地で始まっています。安易な廃止ありきの議論ではなく、観光輸送、貨物輸送など日高線に新たな役割を付与し、活用する方向性を示すような建設的な議論を求めます。
四.日高線運休以降、リウマチで苫小牧へ通院する方や、入院する家族のお見舞いへ行く高齢者の方々、また障がい者の方々の移動が著しく困難になるという事態が沿線で発生しています。こうした方々にとって移動の快適性は死活問題であり、また車椅子に乗ったまま長距離を短時間で移動できるという鉄道の利便性は、バスで代替することはできません。先の参院選で重度障がい者の方が当選したことを契機として、国会内の改修工事が行われるなど、障がい者の方々が活動しやすくなる方向で、社会のあり方を見直す動きが始まっています。今、日高線沿線自治体の任務は、そうした障がい者および交通弱者の方々に優しい交通手段を再評価し整備拡充することであり、この面からも鉄道を総合交通体系の中にきちんと位置づけ、再評価していくような議論を求めます。また、日高線復旧までの当面の措置として、代行バスの低床バス化などをJR北海道にきちんと求めて下さい。
五.護岸整備について、2003年2月に北海道は「日高胆振沿岸保全計画」を策定し、被災した大狩部地区は、「海岸保全をしようとする地域」に指定されています。また実際に、北海道は、JR海岸である静内駒場の太平洋側の沖合に消波ブロックを設置する工事を行うことを決定しています。「JR海岸だから護岸整備できない」のではなく、「できるのにやらない」のではないでしょうか。漁業被害を一刻も早く解消するためにも、当該保全計画に基づいて、日高町村会は、北海道に対して一日も早い被災箇所の護岸整備を強く求めて下さい。
六.町長会議や担当課長会議の内容を、報道機関や地域住民に公開して下さい。住民および利用者には知る権利があり、行政には説明責任があります。私たち住民は、地域の未来を左右する地域公共交通の検討・決定について、行政担当者に白紙委任している訳ではありません。
以上
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