2019年2月15日金曜日

1月29日付け下記道新記事について、所感を述べました。

1月29日付け下記道新記事について、所感を述べました。
同日にFacebookに発表した文章を転載します。

■JR、護岸復旧の意向 日高線7町、鵡川―様似の廃止合意条件
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/271217

「【新ひだか】不通が続くJR日高線鵡川―様似間を巡り、沿線7町長会議が28日、日高管内新ひだか町で開かれ、7町が同区間の廃止に合意することを条件に、JR北海道が海岸保全などを目的として、被災した鉄道護岸の復旧に着手する意向であることが分かった。JR側は会議に出席しておらず、代わりに道幹部が説明した。」

「出席者によると、鉄路の廃止時期が遅れると現時点で約40億円と見込む護岸の復旧費用が一段と膨らむとし、道側は町長らに早期決断を促したという。」

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皆さまこんにちは、村井です。
本記事を読んで、驚きと怒りでいっぱいです。

まず、廃止に合意しないと護岸復旧しない、という「論理(?)」に驚いています。鉄道会社が護岸復旧するのは、列車を走らせるためではないのでしょうか。なぜ廃止合意と護岸復旧がバーターになるのでしょうか。今できるというのなら、なぜもっと早期に着手できなかったのでしょうか。この4年間は一体何だったのでしょうか。

さらに、廃止時期が遅れると費用が膨らむので早期に決断を… との報道ですが、JR北海道も道も、この4年間ずっと放置してきて、なぜ今になって「早期に」などと催促できるのでしょうか。この間ずっと、日高町村会は災害復旧を訴えてきました。にもかかわらず、護岸に着手しなかったのはJR北海道ではないでしょうか。復旧するというのなら、まず列車を走らせるべきではないでしょうか。そうやって、現在列車が走っている他路線と同等の条件にした上で、改めて今後の問題を協議検討するべきではないでしょうか。

そもそも日高線は、赤字負担云々の問題ではなく、まずもって災害復旧の問題でしたが、それを強引に赤字負担問題とリンクさせて、護岸工事に着手しなかったのはJR北海道ではないでしょうか。それを、今になって町村会に廃止の話が出てきてから、おもむろに護岸復旧の話を持ち出し、廃止に合意しないと工事しないなどと、およそおかしなことだと思うのは私だけでしょうか。

しかも、このような重大な内容の発表の場にJR北海道が出席しておらず、代わりに道幹部がこれを説明し、地元に決断を迫ったという事実にも驚いています。道は、私たち住民の生活を守り地域振興をはかることが仕事で、本来ならばJRのこのような言動を諌める立場にあると思うのですが、それは私の思い違いだったのでしょうか。

また、2015年の段階で30億円であった復旧費が、4年の放置期間を経て40億に膨らんでいたらしいことにも驚いています。被災したその年の後半に、国・道・JRの3者がそれぞれ10億円ずつ負担するという合意がまとまりかけた時期がありましたが、その時に直していれば、30億円で済んだということでしょうか。

さらに、日高門別まではもともと線路は被災していませんでした。日高町も、日高門別までは走らせてほしいと協議継続の意思表示をしています。そのような中で、鵡川以東の全てを廃止しなければ護岸復旧しないなどと、これまでの協議や地元の意思を無視した「廃止ありき」のひどい物言いではないでしょうか。

このような最低限の論理的整合性もない、地方を無視した単なるごり押しが罷り通るとは、一体どういうことでしょうか。異常が常態化していることに、非常に落胆する思いです。

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